事例紹介

平成31年度 福野曳山横町車輪、車軸修繕工事 完工

<工事名>平成31年度 高岡御車山木舟町車輪、車軸修繕工事 [第1期]

<工事期間>平成30年5月2日~平成30年12月25日

<概要>

車輪は三重台八の四輪車で直径1660mm、厚さは外まわりで121mm、材質は欅材である。車輪の外周に幅50mm×厚さ15mmの二本の鉄輪が鋲止めで嵌め込まれている。車輪中心部の直径420mm×厚さ454mmの車軸取付部より、32本の矢骨が放射状に配置されている。裏側には600mm×121mmの鉄板が8枚、600mm×58mmの鉄板が8枚にて固定補強されている。表面は黒呂色仕上げが施され、打ち出しの透かし模様の化粧金具で飾られている。

車軸は木舟町御車山の車軸は長さ2931mm、幅182mm×185mm、欅材が使用されている。車輪取付部は直径165mm、長さ629mmの円筒形である。車軸受は直径243mm×厚さ60mmで黒呂色塗りで打出しの透かし模様の化粧金物の金具で飾られている。先端には直径206mm×高さ200mmの真鍮製で模様の異なる四個の独鈷が飾られる。

<修理概要>

- 木工(鉄工)-

車輪桶製作、カブラ補強鉄輪、釘穴処理、矢骨亀裂修理、丸座制作
車軸制作

- 漆工 –

車輪表面の水拭き後、アンモニア水溶液にてクリーニング
車輪全面へ擦り漆(拭き上げ)を2回実施
釘穴へ綿コクソ詰め作業、矢骨とカブラの間へコクソを充填(両面)
外扇材全面を下地研ぎ
下地付け後、透き漆へ微量の黒呂色漆を混ぜたものを2回塗
胴摺りし、擦り漆を完全に拭き取る作業を2回実施し仕上げ
カブラやその他の大きく損傷した塗り面、丸座も同様の補修

- 金工 –

飾金具取外
無水エタノールによる洗浄
反り・歪みの修正
既存真鍮釘の選別・整形、新調釘古色整色
金具表面保護のためインクララックを塗布
飾り金具取付け(矢板金具、カブラ金具、扇金具)
釘頭へのインクララックを塗布

記録写真

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